契約夫婦の蜜夜事情～エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない～

　そんなことを考えながら、何度も寝返りをうって、朝方、晴香はようやく眠りについた。

「…か、晴香」

「うーん…」

「もう起きたら？　十時半だよ」

「…でも、まだ眠たいの…。昨日眠れなくて…」

「へぇ、どうして？」

「…ん、孝也が…」

「俺が？」

「たか…」

　そこでようやく晴香の意識がハッキリする。ぱっちりと目を開けると、すっかり日が昇った明るい部屋で晴香を覗き込む孝也の顔がすぐそばにあった。

「きゃっ」

　晴香が声をあげて、身体を起こすとベッドに頬杖をついて孝也が微笑んだ。

「おはよう」

「あ…え？！　孝也？！」

　晴香は目を丸くして孝也を見た。

「ななななにしてるの！？」

「なにって起こしにきたんだよ。昨日遅かったからまだ寝かせてあげたいような気もしたけど、でも起こさないと晴香っていつまでも寝たままだから。ほんと昔からお寝坊さんだよね」