契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
晴香は黙ったまま、こくんと頷いた。
サバサバとした性格であまり過去を振り返らない梨乃から見たら、晴香が彼氏も作らずに二十代を終えようとしていることがもどかしく感じるのだろう。
ときおり、こうやってハッパをかけるようなことを言う。
さらにいうと彼女自身は既婚者で、特には出会いを必要としていないから今度の飲み会にだって行く必要がないのに、一人では絶対に参加できない晴香のためについてきてくれると言っているのだ。
それをありがたいとは思いつつも、晴香の中のあることが邪魔をして、晴香はそれに素直に応えられないでいる。
そんな晴香を焦ったいように睨んでから、梨乃はやや大きな声で宣言をする。
「とにかく、今回はなんとしても顔を出してもらいます! 実はもう出席って返事を出しちゃってるし」
「梨乃!」
晴香が慌てて声をあげた時。
「それって、本社の近くの新しいレストランでやるんですよね?」
唐突に七瀬が会話に飛び込んできた。どうやらいつのまにか、トイレから戻ってきていたらしい。
梨乃が眉を寄せて彼女から目を逸らした。
「そうよ。できたばかりの駅ビルの中だから私も行ったことはないんだけど…」
晴香が代わりに答えると七瀬が目を輝かせた。
「晴香先輩が行かないなら、代わりに私が行ってもいいですかぁ? 私あそこ行ってみたいんです~」
「あなた彼氏いるじゃない」
サバサバとした性格であまり過去を振り返らない梨乃から見たら、晴香が彼氏も作らずに二十代を終えようとしていることがもどかしく感じるのだろう。
ときおり、こうやってハッパをかけるようなことを言う。
さらにいうと彼女自身は既婚者で、特には出会いを必要としていないから今度の飲み会にだって行く必要がないのに、一人では絶対に参加できない晴香のためについてきてくれると言っているのだ。
それをありがたいとは思いつつも、晴香の中のあることが邪魔をして、晴香はそれに素直に応えられないでいる。
そんな晴香を焦ったいように睨んでから、梨乃はやや大きな声で宣言をする。
「とにかく、今回はなんとしても顔を出してもらいます! 実はもう出席って返事を出しちゃってるし」
「梨乃!」
晴香が慌てて声をあげた時。
「それって、本社の近くの新しいレストランでやるんですよね?」
唐突に七瀬が会話に飛び込んできた。どうやらいつのまにか、トイレから戻ってきていたらしい。
梨乃が眉を寄せて彼女から目を逸らした。
「そうよ。できたばかりの駅ビルの中だから私も行ったことはないんだけど…」
晴香が代わりに答えると七瀬が目を輝かせた。
「晴香先輩が行かないなら、代わりに私が行ってもいいですかぁ? 私あそこ行ってみたいんです~」
「あなた彼氏いるじゃない」