ふたつの羽根
前みたいな関係?
それって何?
女の笑い声だけが耳に染み付き、あたしの体は次第に震え始める。
その時だった…
「りーなちゃん。陸いた?」
目の前にヒョイと現れた拓真先輩にあたしの肩はビクッと上がり目を見開く。
震える体を隠そうと両腕で自分の体を抱き締める。
「えっ、里奈ちゃん?」
声出さないで…
見つかる。
そう思ったのも、つかの間だった。
「あれ?もしかして拓真?」
その女の声であたしの鼓動は荒れたように早くなる。
拓真先輩はチラッと横を見て「…彩乃」と声を漏らし目を見開いた。
…彩乃。
拓真先輩も知ってるの?
誰なの?
ねぇ…