ふたつの羽根
「でっ、何が珍しいの?」
もう一度、発しられた声にドキドキが溢れる。
今までずっと聞きたかった陸の声。
…会いたかった。
「でっ何?」
陸は再度、声をだし、あたしの後ろにいる拓真先輩を覗き込んだ。
拓真先輩がフッと笑う仕草を見て、陸と和解したんだなって思った。
「べーつにぃ。ただお前が朝から来るの珍しいって思っただけ」
「あっそ…」
陸の冷たい言葉に拓真先輩はうっすら笑い教室の中に入って行った。
当たり前だけど、今ここにいるのはあたしと陸の2人きりで…
実際2人っきりになれば“どうしよう”って思うわけで…
でも、陸に言わなきゃ。
「あっ、あのね陸…」