ふたつの羽根

何それ…

何それ…


「意味わかんない」


他の生徒達がちらほら帰る川原沿いで、あたしは叫んでいた。

人の目線が気になるどころじゃない。


睨みつけるあたしに純也は「つーか疲れんだけど」とため息をつく。


はぁ? 

余計に意味がわかんない!あたしが何したっつーのよ。 

「じゃあ何で、あたしと付き合ってんだよ」

「何でって里奈が告ってきたからだろ…だーかーら付き合ってる」


「何それ…」


呟くあたしに純也は「じゃ俺、帰っから」と、あたしに背を向けて歩き出した。

「バカっ!!」


あたしと純也の距離があいてすぐ、あたしは手に持っている鞄を純也に向かっておもいっきり投げつけた。 


投げた鞄は純也に当たるはずもなく急斜面になっている芝生の上にゴロゴロ転がり落ち、あたしの目線から鞄は消えた。


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