ふたつの羽根
薄茶の髪にスラッとした背丈に腰より下に履いたジーパン。
黒シャツからはだけて見える首筋のシルバーのネックレス。
どー見ても、あたしよりはるかに年上だ。
まぁ20才、前後だろう。
その人は足を進め、あたしの鞄の所まで行きしゃがみ込む。
鞄の口が開いていたのか芝生の上には携帯に化粧ポーチに鏡などか散らばっている。
落ちている携帯に手を伸ばす彼にハッとして、あたしは駆け寄った。
「すみません」
鏡を拾って彼に目を向けると「はい。どーぞ」と鞄を差し出される。
「ありがとうございました」
鞄を受け取ってすぐ彼はフッと笑った。