ふたつの羽根

やっぱし…

昨日の事を他の人に見られている限り今日は学校に居たくない。



出席を確認し、担任が教室を出た直後あたしは口を開く。


「ねぇ有亜!あたしやっぱ帰る」


有亜は席を立ち上がるあたしの腕を掴んで嫌味な笑顔を漏らす。 

「あたしを一人にさせる気?」

「だって…」

「ほら次、移動教室だし行くよ」


立ち上がる有亜を見てあたしは嫌な物を全て吐き出すかのようにして一息吐く。

そんな吐いた一息も教室の雑音で消されるようだ。



移動教室のパソコン室は3年生の三階に位置する場所で、有亜の後を追うようにして階段を駆け上がると3階から揉めた声が飛び込んできた。 


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