ふたつの羽根
「おいっ!神藤、真面目に来ないと留年するぞ」
怒り気味た声を発しているのは、どう考えても先生の声だ。
「だーから…」
相手の声が聞こえたと思うと、あたしの前にいたクラスメイト達が廊下を覗き込み口を開く。
「あっ!神藤先輩だ」
「うわっ久しぶりに見る」
「やっぱカッコいいよね」
「川崎先輩もいるじゃん」
そんな浮かれた声を耳にしながらあたしは3階の廊下に足を踏み入れて、いざこざが起きている現場をチラッと見る。
えっ…
え”ぇっー
なっ何で何で?