ふたつの羽根

その陸の端正な顔で微笑まれるとドキッとした自分がいた。

昨日も同じようにこの道を歩いたけど、今日は何故か陸に意識をしてしまう。


同じ学校だからか…

それとも制服だから。


じゃなくて、きっとアイツとの後だからだ。


「ごめんね。遅れて…」


呟くようにして言うあたしを見て陸はフッと笑い足を止める。


「えっ何?今さら謝ってんの?」

「うん」


首をコクンとして陸の側まで行くと陸も止めていた足を動かす。


午後の心地いい風と隣にいる陸の香水が交ざり合い心が落ち着く気分になる。


しばらく歩くと川原沿いの途中から他の学生達とも交ざり合う。

中学生、高校生と交ざり合うなか、女の目線があたし達に向けられる。


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