ふたつの羽根

「何ここ?」


不思議そうに陸に目を向けると「地下。もしくはたまり場」と言って足を進める。 


地下…

たまり場…


あたしは陸の後を追うようにして階段を掛け降り、扉の前で立ち止まる。


虹色並みに綺麗に塗られ無数の蝶が書かれてある壁からヒステリックに音楽が反響している。


ゆっくり目線を上げ陸を見ると、陸はあたしを見て微笑み扉に指差す。

陸がカランと言う鐘の音とともに扉を開けた瞬間、さっきよりは一転、耳に凄い音が飛び込んだ。


その隙間からあたしは顔を覗かせる。


「あっ…」


思わず中を見たあたしは声を漏らす。


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