ふたつの羽根

田上は「はいはい」と返し再び机に顔を伏せる。

あたしは頬杖をつきながら窓の外をジッと見つめた。


アイツの事なんて、とっくにもう終わってるよ。


放課後あった日の何日後かにちゃんと終わらせたよ。

未練も何も

もぅ…

残ってない。



昼休み第一校舎と第二校舎の真ん中にある中庭のベンチに腰を下ろす。

座っているベンチは第一校舎の方向に向いていて、ふと視線を上げると3階の廊下にいる陸の姿。


左腕を壁に付けて肩部分から見える陸の姿…


その前にいるのは微笑んだ女の先輩。

確か、あの人は学校内で一番綺麗って言われている人…


「ねぇ気になる?」


今まで黙っていた有亜は菓子パンの袋を開け、そこから少し姿を出すパンに口をもっていく。


< 95 / 275 >

この作品をシェア

pagetop