ふたつの羽根
数日後、あたしはひとりで学校を出て、いつもの古びた鉄の階段に腰を下ろす。
鉄の冷たい感触がお尻から伝わり体がゾクッとした。
ここに来るのは久しぶり。
いつも通りに街は賑わい人は溢れかえる。
膝の上に鞄を置き、それを抱えるようにして前のめりになり辺りを見渡す。
横断歩道の赤信号から青になった瞬間、人は慌ただしく白い白線を踏んでいく。
そんな繰り返しを見ていて辺りも真っ暗になった時だった…
「何してんの?」
視界に入ってきたのは男子の制服のズボン。
同じ学校だ…
ゆっくり目線を上げると「あっ…」と、あたしは声を漏らす。