俺様社長と溺愛婚前同居!?

 最初はフレックスタイムということもあってほんの数人の社員しかしなかったが、日が経つにつれて、人数が増え……最終的には全社員が揃うまでになった。


「ねえ、結花ちゃん。今日のメニューは何?」


 パーテーションからひょっこり顔を出してそう声をかけてきたのは、川崎(かわさき)さん。
 彼は私よりふたつ上で、艶のある黒髪をジェルワックスで流しているワイルド系の人。

 黒縁眼鏡に、口髭が生えていて野性的な雰囲気がして見た目は怖そうだけど気さくなお兄さんだ。


「今日は、豚の生姜焼きと、ひじきのサラダ、人参のラペと、お味噌汁ですよ」

「わ~、楽しみ。結花ちゃんのご飯が食べられると思うと、仕事に身が入るよ」

「ありがとうございます」


 じゃあ、また後で、と声をかけて仕事に戻って行った。

 そのあとも他の社員さんたちがちらほら覗きに来る。次は副社長の京本(きょうもと)さん。


「あー腹減った。結花ちゃん、これつまんでもいい?」

「ああっ、もう。京本さん、待ってください」


 京本さんは、お皿に盛りつけていた人参のラペを指で一つまみして、ぱくっと口に放り込んでしまった。


「お箸……」

「いいの、いいの。つまみ食いって何でこんなに美味いんだろ」
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