俺様社長と溺愛婚前同居!?

 ベッドから抜け出した結花は、おろしていた髪を無造作に結んで纏める。そして慌ただしい足取りでキッチンへ向かって行った。

 昨日、初めてのデートをした。買い物へ行ったあと、水族館へ。

 水族館なんて久しぶりだったこともあり、新鮮で楽しめた。気持ちよさそうに泳ぐ魚を見て癒されたのもあるし、隣にいる結花が楽しそうにしているのを見ていると、一緒に来られてよかったと素直に思えた。

 そのまま外でディナーでも、と誘ったが、結花は手料理をご馳走してくれると言って、家で料理を振舞ってくれた。

 そしてそのときに、今日の分の朝食の下準備をしていたのだろう。

 俺が仕事に行く準備を整えてキッチンに向かったころには、ダイニングテーブルの上に和朝食が並んでいた。

「さすがだな。旅館の朝食みたいだ」

「今日はオーソドックスに、焼き魚と出汁巻き、ほうれん草のおひたしと、お味噌汁にしてみたよ。お口に合えばいいんだけど」

「ありがとう、いただきます」

 ランチの調理をお願いしていたころから結花の料理の腕前は知っていたものの、俺だけのために作ってくれるという特別感がいい。

 まあ……彼女が俺のために料理するのは、料理人としての仕事を全うするためなのだが。

 それでも、彼女の素顔を見ることができたし、こうしてふたりで朝食を摂れることが嬉しい。
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