俺様社長と溺愛婚前同居!?

「結花さんは、社長とまだ籍を入れていないんですよね?」

「え……?」

「突然だったから、まだ心の整理がついていません。結花さんは、社長のこと本当に好きですか?」

 じっと見つめられて、言葉を失う。

 シンクフロンティアの社員だから安心していたけれど、車の中にふたりきりで、この状況……もしかしてマズいことになったかもしれない。

「好き、ですよ」

「本当に? あの女嫌いの社長ですよ? ふたりとも付き合っていた様子もなかったのに、おかしいです」

「そんなことないです」

 じりじりと詰められて、窓際まで追いやられる。

 もうこれ以上逃げられない。このまま近づかれたら、顔と顔がくっついてしまいそう。

 どうしよう、こんなことになるなんて。
 こんなに詰め寄られるなんて想像していなかった。

 賢人さんからもっと警戒しなさいと言われていたことを思い出して、こういうことにならないように自衛しろと忠告してくれていたのだと身を持って実感する。

 深く考えずにうかうかとついて行ってしまった私が悪い。ごめんなさい。

 賢人さん、助けて……!
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