俺様社長と溺愛婚前同居!?

「社長、失礼なことをして、申し訳ございませんでした。結花さんの気持ちも聞いたので、これできっぱり諦めます」

「ああ」

「では、失礼いたします」

 男らしく謝罪をした櫻井さんは、私たちを残して駐車場から立ち去って行った。

 好きって言っちゃった。

 その現実に怖気づいて、心臓がバクバク音をたてている。
 好きは好きだけど、それは、深い意味なんてないのだと弁解するべき? 

 ちらっと彼のほうを見てみると、櫻井さんの背中を見送って難しそうな表情を浮かべていた。

「今のは深い意味なんてないんですよ」とは言い出せない雰囲気。
 張りつめている空気に緊張しながら、感謝の気持ちだけはちゃんと伝えなければと口を開く。

「賢人さん、助けてくれてありがとう。男の人の運転する車に軽率に乗ってはいけないと、改めて思い知りました。ごめんなさい」

「そうだな。結花は隙が多すぎる」

 賢人さんの言う通りだ。

 前々からもっと男性に対して警戒しなさいと警告されていたにもかかわらず、こんなことになってしまった。しかも婚約中の身なのに。

 何もなかったからよかったものの、自分のせいだと猛省する。

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