俺様社長と溺愛婚前同居!?

「HANAさん」「彼女」「この人」としか呼ばれない。そもそも鴻上さんとお話することがないのだ。

 その上、鴻上さんは私の作った料理を一口も食べない。

 全員揃ってランチミーティングをしているときも、鴻上さんだけは食べずに仕事の話に集中している。

 私の名前なんて知らないのではないだろうか。


「邪魔なんて、そんな……」

「君も。男の中に女性が一人なんだから、もう少し警戒しなさい」


 京本さんを庇うつもりで発言したものの、鴻上さんからぴしゃりと言い放たれて、何も言い返せなくなった。


「ああ、もう。賢人~。結花ちゃんが怖がっているじゃないか。もう少し優しく言いなよ」

「これが俺の普通だ」

「ごめんね、結花ちゃん。賢人、言い方はきついけど、悪い奴じゃないんだよ」


 こくこくこくっと、何度も頷く。

 それは分かってる。だって、こんな凄い会社の社長さんだもの。

 悪い人だったら、周りの人たちがついて行かないだろうし、会社を成功には導けないはずだ。
 親しくしてもらえないと悲しんでいるけれど、そもそも私とは住む世界の違う人なのだから当然だ。気軽に話せるような存在の人じゃない。
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