俺様社長と溺愛婚前同居!?


「もっと気をつけます。ご忠告ありがとうございます」


 頭を下げて彼の忠告を素直に受け取ると、彼は何も言わずにその場を立ち去っていった。


「賢人はいつもああだから。結花ちゃんだけに冷たいわけじゃないからね。女子にはああいう奴なの」

「そう……なんですか」


 京本さん曰く、鴻上さんは硬派なところがあって、女性と一定の距離を保って接する人らしい。


「あの見てくれだからね、必要以上にモテるわけよ。それで色々と苦労しているから、けん制しているってところかな」


 確かに、こんなにハイスペックでイケメンだったら、引く手あまただろう。彼の恋人になりたいと願う人は山のようにいるに違いない。


「俺も怒られちゃったし、そろそろ仕事に戻るよ。ランチ、楽しみにしているね」

「はい、お疲れさまです……!」


――男の中に女性が一人なんだから、もう少し警戒しなさい。


 鴻上さんに言われた言葉を噛み締めながら、再び料理に取り掛かる。
 コンロの火をつけて、フライパンに火を通す。しっかり温まったことを確認したあと、火を弱めて丁寧に一枚ずつ豚肉を並べていく。


「警戒……か」

< 14 / 177 >

この作品をシェア

pagetop