俺様社長と溺愛婚前同居!?

「わー、ガスコンロだ。しかもグリルがついてる。あ、食洗器もある」


 IHのクッキングヒーターもいいけれど、個人的には火力が強いガス火が好きだ。その上を見てみると、最新式の換気扇が目に入る。


「何これ……換気扇に見えない」


 よく見るようなファンが見当たらなくて、フラットな形をしている。どういう構造になっているか、あとでネット検索しようと決めて、シンクのほうに視線を落とす。

 人工大理石でできた真っ白のキッチンは、気持ちいいほど美しい。調理スペースであるカウンターも充分すぎるほど広いし、調味料も可愛いスパイスケースに入っていてオシャレな雰囲気だ。


「これって、鴻上さんが用意してくれたんですか?」


 私があれこれ目移りしながら話している間、彼は黙って見ていた。やっと私が質問したところで、ふわっと柔らかに笑う。


「そうだよ。知り合いのインテリアコーディネーターに頼んだんだ。料理好きな奥さんに喜んでもらえるように準備してくれって」

「すごい……! こんなキッチンで料理ができるなんて夢みたいです」


 子どもみたいにはしゃぎすぎただろうか。くすくすと笑う彼を見て、舞い上がっていた気持ちを落ち着かせる。

 滅多にお目にかかれないようなマンションやインテリアを見て、浮足立ってしまったことを反省する。

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