俺様社長と溺愛婚前同居!?

「結花、俺のことを何て呼ぶんだった? 覚えてる?」

「えーっと……その……。賢人、さん……」

「賢人って呼べって言ったよな?」


 ふわふわの座り心地のいいソファに座ったのはいいものの、至近距離に賢人さんがいる。私と賢人さんの膝と膝が触れていて、それを見ていると胸のドキドキが大きくなっていく。


「でも……っ、私、そんなふうに呼べないです。恥ずかしい」

「ほら、また敬語。ちゃんと普通に話して」

「うう……難しい……」


 今まで男性と必要以上に親しくなったことがなかったから、こういうのに慣れていない。

 言われたとおりにするべきなのは分かっているけど、照れが勝ってしまってなかなか口に出せない。


「じゃあ、こうしよう。これから普通に話せるように訓練しよう。敬語になったら、俺の言うことを聞くこと」

「言う……こと、ですか……?」

「ほら。出た」

「あっ!」

 慌てて口を押さえるものの、もう遅い。
 意地悪な笑みを浮かべて、賢人さんは私をじっと見つめる。


「俺とちゃんと夫婦らしく振舞って。お互いのメリットのためとはいえ、籍も入れて本当の夫婦になるんだ。分かった?」

「うん」


 こくんと頷くと、にこっと微笑みかけられる。いつも鋭かった目線が和らいで、優しく甘い眼差しで私を見つめてくる。
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