俺様社長と溺愛婚前同居!?

 なるほど。

 今までツンツンした態度をとられていたのは、私のことをその他大勢の女性と同じなのでは、と警戒していたからだ。

 私がどういう人間か分からないので、必要以上の接触を避けていたからあんな態度だった。

 しかし私が無害の女性だと分かったから、普通の態度をとってもらえるように昇格したらしい。


「だから、気にしなくていい」

「ありがとう……」


 深い意味なんてないのだろうけど、彼のテリトリーに招いてもらえるなんてレアな存在になれたことを純粋に嬉しく思う。仕事を認められたみたいな気分。


「じゃあ、まず三回ほど敬語を使ったから、いくつか言うことを聞いてもらおうか」

「ええっ、そんな……!」


 今からカウントなんじゃないの?

 さっきまで決心がつかなかったから敬語が出てしまっただけなのに。それもカウントされるなんて非情だ。


「大丈夫、そんな無理難題は言わないから」

「本当?」

「ああ、本当だ。とりあえず部屋の案内を続けよう」

 ソファから立ち上がると、賢人さんは私に手を差し伸べる。私はその大きな手のひらに掴まり、立ち上がった。
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