俺様社長と溺愛婚前同居!?
「結花の部屋を案内するよ」
「私の部屋……!?」
さっきから私の荷物が見当たらないなと思っていたが、自室を用意してくれていたことに感激する。
そうだよ、いくら入籍して同居するとはいえ、私たちは恋人同士じゃない。
四六時中一緒にいる必要もないし、お互いに干渉するような存在でもない。なので、帰宅後はそれぞれの部屋で過ごすのが当然だろう。
住み込みの仕事をしている感覚でいればいいんだ、と納得する。
「ここだ」
案内されたのは、十畳ほどの空き部屋。私の用意した段ボールがいくつも積み上げられている。
「こんなに広い部屋を使ってもいいの?」
「ああ、いいよ。けど、一つ条件」
条件、と言われて目を見開く。
もしかしてここから一歩も出るなとか言われるんじゃ……?
いやいや、さすがにそんなに鬼畜なことは言わないか。
「この部屋には基本的に閉じこもらないこと。常にいる場所はリビングとダイニングな」
「え……っ」
「当たり前だろ。夫婦なんだから、コミュニケーションが必要だろう」
さも当たり前かのように言う賢人さんに言葉を失う。