灰色メメント
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side、カヤ・セシル












私たちは、心まで繋がって生まれた。





身体は今ではバラバラだけれど、ずっと一緒にいるの。








「ほら、その証拠に、私の左側はあなたのもの」




「私の右側も全てあなたのものよ」









身体が半分なくたって、それはあなたが埋めてくれるでしょう?






臓器はあるから、生きていられるけれど。









生まれるまで、ずーっと繋がっていた、”運命”なのに。







2人だけの身体。2人だけの世界。2人きりの世界。邪魔なものなんていらない。














生まれてすぐ、母さんは出血多量で死んでしまって、父さんは私たちを育てていけなくて、自殺してしまったわ。





でも、寂しいと思ったこともなかった。











どんな冷たい目で見られようとも、酷い仕打ちを受けても、私の半分を持ってるあなたと、感情も半分ずつ。












だから、”この気持ち”も全部分け合って──────。







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