極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 『…椿生に会いたくて仕方がなかったです。どんどんあなたが好きになっていっていて。椿生は、私に何か薬でも使っているのですか?』
 『え…』
 『惚れ薬?それとも媚薬なのかな……椿生から離れられなくなってしまいます』

 きっと彼が作った薬でこんなにも夢中になっているのではないか。そんな冗談に椿生はクスッと笑った後、畔の唇に短いキスを落とした。そして、口の動きでゆっくりと甘い言葉も落としていく。

 『じゃあ、もっともっとその薬を飲んで貰わないとね。俺から離れようとも思えなくなるほどに……好きになって』

 もう十分好きだよ。
 その手話は彼には届かない。
 椿生が目を閉じて、畔の唇を塞ぐように深いキスを落としたからだ。
 離れることが出来なくなるなら、何回でもその媚薬を飲みたい。

 畔は彼のキスに翻弄されながら、ゆっくりと目を瞑ったのだった。
< 114 / 150 >

この作品をシェア

pagetop