【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―



「――しかし、今回の改善がボツにならなくて、本当に良かったよな」


何度目かのビールの追加注文を終えた園部が、しみじみの話しを切り出した。


「そうだね。あそこでボツくらってたら、今頃飲み会やってやってる場合じゃなかっただろうね。」


私の言葉を聞いて、美来ちゃんはサッと顔色を変えた。


「間に合わなくて会社に泊まり込みとか、研究室から出れないとか⋯⋯もう経験したくありません」


そういえば、2年前くらいにそんなことがあった。


「確か、この件、漆鷲社長にたすけてもらったんでしたっけ?」


緑川くんが思い出したように言うと、園部は大きく頷く。


「真島と資料室で探してたら、偶然居合わせたみたいでな。松田さんもデーター無いって言ってたから、社長がいなかったら完全にボツだったよ。ほんとに助かった。」


同意しつつ、ふと思い出す。

いつの間にか現れて、スマートに助けてくれた美しい社長。

優しげな横顔と、長い指先がペンで文字を綴り。

下向き加減の高い鼻筋に、透き通る碧色の瞳。

そして⋯⋯資料室で二人きりになったこと。

少し強引だけど、いつも優しい人。
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