【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「――美来ちゃん?」
キョロキョロして呼びかけると、
「はいはーい」
ガラっと、たった今の開けようとしたふすまが開き、中から私の荷物を持った美来ちゃんが出てきた。
「ちょっと、いつの間に⋯⋯。ていうか、なんで私の荷物⋯⋯」
美来ちゃんは後ろ手でふすまを締めると、布製の黒のハンドバッグと、スーツが入ってるトートバッグを私に押し付けた。
「真島先輩、早く行ってあげてください」
なんでいきなり⋯⋯。
「どうしたの? 別になにもないよ」
澄まして首を傾げて見せると、
「私がわからないと思ってますぅ? 誰か待ってるんじゃないんですか? 心配そうな顔してますよ」
美来ちゃんは見透かしたような顔で、私の頬に温かい手を寄せてきた。