【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
ハッとした。
まるで当たり前のように、ここ最近ずっと眺めている漆鷲社長の過去の商品開発のファイル。
あれは社長の私物を借りているのであって、
社内では書庫のものを自宅持ち込むのもタブーとなっている。
美来ちゃんが疑問を感じるのも不思議ではない。
最近行き詰まった私はそればかり見ていたせいか⋯⋯麻痺していたようだ。
ていうか、美来ちゃんに関しては、別の意味で勘付かれてしまう。
どう取り繕うべきか考えていると、
「真島ぁ―――!」
食堂の入り口から聞こえてきた声。
園部だ。隣には横山くんがいて、彼は先に食堂を出ていく。
いいところで声をかけてもらえたと、ホッしてしまった。
園部は、トレーを片付けてテーブルの合間を縫って、急いだようにこちらにやってきた。
「お前、午後から松田主任のグループいってくれ」
テーブルまでやってきた園部は、暑いのかネクタイを取り払っていて、シャツを腕まくりしている。
「なんでいきなり?」
「グループメンバーが松田主任以外みんな休んでて仕事になんねーんだと。今日一日でいいからお前をかせって言われた」
「わ、私を―――?」
いったい何故⋯⋯?!
そんな感じで昼休みは終えて。
私は松田主任が待っている研究室へと急いだ。