王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「ここの鍵開けを頼んでいたんだ。」
助手席のドアを開けて、私の手を引きながら社長は言う。
「鍵あけ⋯⋯?」
「ここは、うちの別荘みたいな場所で、たまに気分をリフレッシュさせたいときに訪れるんだ」
「べ、別荘⋯⋯」
な、なんとレンガ造りの西洋テイストの豪邸は、別荘らしい。
しかも“みたい”って。他にもあるような言い方。
社長はニコニコしながら言ってるけど、普通ではないことを教えてあげたくなる。