【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
そうして切り取ったバラを抱えて――
私たちは西洋テイストの豪邸へとやってきた。
エントランスだけで、私のワンルームが入ってしまいそうな広さ。
高そうな装飾品や絵画が飾られていて。
ピカピカに磨かれた大理石の床。
それも、なんで玄関の天井があんなに高いの⋯⋯?
シャンデリアまである⋯⋯。
入った途端に眩しすぎてクラクラした。
「おかえりなさい。昼食のご用意ができたので、お呼びしようとしていたところです。」
着いて早々出迎えてくれたのは島田さん。
永斗さんは「ただいま」とニコニコ微笑んでいたけど、私は気配なく現れた島田さんに飛び上がりそうになった。
「――そのバラは?」
島田さんは永斗さんの腕にある大量のバラを見る。
「いくつか昼食で出してもらえるように伝えてくれる?」
永斗さんは島田さんへとバラを手渡すと、革靴を履いたまま中へと足を進める。
って、土足?!
こんなの海外だけかと思っていたのに。
「承知しました。シェフに伝えておきます」
さっと花の状態を確認した島田さんは、ピクリとも笑わず、一礼して背を向けた。