【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
しかし、3歩ほど歩いたところで


「聞き忘れていました。お部屋の準備の方はどうなさいますか?」


くるりと綺麗に振り向いた。


え⋯⋯?

部屋⋯⋯?


セルフレームの奥の涼しげな目は、じっと私たちをみつめている。



「一室、ご用意いたしましょうか?」


とんでもない事を真顔で続ける。

島田さんに言われるなんて、

そそそういう関係だと思われてるってことでしょう?!


途端に私の顔はカーッと真っ赤になる。

永斗さんは、クスクスと笑いだし、


「僕はそれでもいいけど―――」


なんて、私に返事委ねる。

いやいや!! 何を言ってるの!


「かか、帰ります。 ⋯⋯宿泊はしません!」


平常を保ちきれなかった。

永斗さんはいよいよ声を上げて笑ってしまうし。

私は恥ずかしくて眼鏡が曇りそう。


島田さんは一瞬だけニヤリと悪い笑みを浮かべ、


「失礼しました。では、昼食の準備もできた頃だと思うので、食堂の方へどうぞ。」


そう言って、今度こそ立ち去る。


か、からかわれた⋯⋯?

島田さんのあんな顔、はじめて見たっ。

侮れない⋯⋯島田氏。

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