【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「これ⋯⋯もしかして、さっき持ち帰ってきた薔薇の花ですか?」
隣の永斗さんを勢いよく振り向くと、すでにニコニコ顔で私を見ていた。
「そうだよ。食べてみて」
「す、すごい綺麗⋯⋯」
食べるのが勿体ないくらい。
ケーキを一口サイズに切り分け、その上に花弁を何枚か乗せて
「―――ん」
目を瞑り、口の中に集中した。
「お、美味しい」
甘さ控えめの生クリームの中でほんのり甘く、そして口内で漂う淡いバラの香り。
意外だった。
花特有の渋みや、嫌に口の中に広がりそうな香りを想像して、今日まで食べようとしてこなかったのに⋯⋯。
永斗さんを見上げると、「でしょ?」と頭をポンポンと撫でられた。
「クセや渋みがあるかと思われがちだけど、そんなことないんだ。生でも食べれるし、乾燥させたり加工しても栄養化高く食べれる。」
「確かに、ショップとかで見かけたことがあります。」
感心しながらカップに唇を寄せようとしたとき、
「⋯⋯この中にも」
赤いものが数枚浮いていることに気付いた。