【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
午後は提案してくれた通り、ハーブの飼育されるブースや、果樹が栽培される施設を見せてもらった。
会長の趣味だというそこは、植物の温室同様に行き届いた管理と設備で成り立ち、世界最大の植物園と売り出しても不思議ではない場所だった。
これが趣味だと言うんだから驚きだ。
そして、遊び通していたら、あっという間にオレンジ色の夕陽が顔を出して、傾いていた。
それを見ながら私は咄嗟に思ってしまう。
今日が終わるのか。
終わらない日なんてあるわけないのに。
そう思ったのははじめてだ。
それが何故なのかも⋯⋯ちゃんとわかってる。
隣で一緒に見ていた永斗さんも、黙っていた。
彼が何を思っているのかはわからないけど、夕陽よりも美しい顔が、憂いを帯びているようにも見えた。
少しだけしんみりした気分で来た道を戻っていると、永斗さんが腕時計に視線を落とす。
彼を縁取るものすべてが、オレンジ色に彩っていて、それがものすごく幻想的にも見えて目が離せない。