【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「いい頃合いだな。」
「――え?」
永斗さんは腕時計から顔を上げて、
「来美は、空と海ならどっちが好き?」
なんて唐突な質問をしてきた。
夕陽が映り込む瞳は、私だけを見つめていて。
思わず「何言ってるの」と言いたくなる質問だけど、その瞳はとっても純粋で、諭せるような空気ではなかった。
空と海なんて、比べたこともない。
大自然を対比しようなんて思いつかないもの。
でも、あえて言うなら
「――空⋯⋯でしょうか」
ポツリとつぶやくと、永斗さんは甘く微笑み
「わかった。なら行こう」
ゆったりと優しい笑顔を携えながら、私の手を取って先を急ぐ。