【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
―――とりあえず。
あまり考えもせず『空』と言った自分を叱りたい。
バラバラと音を立てながら、ヘリコプターはどんどん上昇してゆく。
はじめての感覚にゴクリと喉が鳴る。
なんだか、独特な浮遊感に身体がついていけるか心配だ。
「社長⋯⋯そもそも、なんでヘリに⋯⋯?」
「――名前」
「あ、すみません。永斗さん」
「まぁ、上がればわかるから、大人しく乗っててね」
それしか教えてもらえなかった。
しばらく走った車は有名な一流ホテルの前で止まり、そこで降りた私たちは、永斗さんの導きによって、その屋上にあったヘリポートへ向かった。
そして、そこに止まっていた、漆鷲ホールディングスのロゴが描かれたヘリコプタ―に、半ば強引に押し込められて――――現在に至るというわけだ。
「じゃあ、レインボーヒルズタウンまで、空の旅を楽しもうか」
とてもウキウキした様子の永斗さん。
これは、インスピレーションとか、アイディアにつながるとはとても思えないけど。
どうせ降りれないし!
もう、行くしかない!
お金持ちにはついていけないよ――!!