王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
9章 心雨と愛と降伏と
8章 心雨と愛と降伏と




食事は近くの高級ホテル『President takemoto』にある、有名なフランス料理店。

全面ガラス張りのラグジュアリーな空間で、永斗さんとテーブルを挟んで向かい合い、コース料理を堪能していた。


「あの人すてきじゃない?」

「外人さんかな?」


なんて声がさっきからチラチラ聞こえる。

店内からは、優雅にナイフとフォークを操る永斗さんの姿に、うっとりした女性の視線が集中。

個室ではないのは喜ばしいけど、これはこれで落ち着かないかも。


軽い動物園状態だ。


「どう? 口に合う?」

「もちろん、おいしいです」


本人は至って気にしていない様子だけど。

私は集まる視線に少しだけハラハラしていた。

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