【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
そう。
『授賞式まで』と割り切ろうとしていた、最大の理由はこれだ。
周囲の視線を集めるほど美しい永斗さんと一緒にいれば、異様な目で見られることはわかっていた。
こうなることは予測できていた。
そしてそれは間違っていなかった。
だから私の選択も間違っていない。
そう思っていたのに――
「――男も、顔だけで大した男じゃないんだよ。実は中身すごかったり――⋯⋯」
「―――」
思わぬ矛先に息が止まった。
なにそれ⋯⋯。
カタン⋯⋯ていう音で、自分が手にしていたカップが指から離れて転がってたことに気づき
そしていつの間にか流れていたコーヒーがメモ帳と純白のクロスを黒く染めていた。
手を挙げてウェイターさんを呼ぼうと思ったのに、
まるで身体が自分のものではないかのように、言うことを聞かなかった。