【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「―――失礼。マナーが悪いように感じますが⋯⋯」
背筋が凍るような低い声。
一番待ちわびていた声のはずなのに、私の中でサーッと血の気が引いていく。
いつから聞いてたの?
私には、それしか頭になくて。
怖くて後ろを振り向くことが出来なかった。
ドクン、ドクンと鳴り響く心臓の音しか聞こえない。
「あ⋯⋯」
「その―――」
急に静まりかえり、動揺に満ちた女性たちの声。
「そのような会話は、このような場所でするべきではないかと思います。⋯⋯向こうにまで聞こえてきましたが」
淡々とした中に苛立ちを含んだ口調。
『向こうにまで聞こえていた?』
耳に入れた瞬間、私は鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
どうしよう。
『顔だけで大した男じゃないんだよ』
聞かれてたんだ。