【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「なんなんですか⋯⋯! 永斗さんおかしいですよ! あの人たちの言ってた事を聞いていたんでしょう? なのに、なんで引き止めてるんですか! もう全部おわりにしようと思ったのに!」
「――――」
私を射抜くのは、ブレない真っ直ぐな視線。
口籠りそうになるけれど、必死に自分を奮い立たせた。
「私みたいなの連れてたら、またさっきみたいに言われますよ! 嫌な思いするし恥かきますよ? ⋯⋯あんなに怒ってたじゃないですか!
少なくとも私は永斗さんにそんな思いさせたくないんです! だから―――」
「――来美」
永斗さんは、わめき散らす私の頬を包み込み、強引に上を向かせて遮った。
頬から感じる、冷え切った彼の体温。
対照的に、熱く燃えたぎる私の荒れた心。
しかし、雨に濡れた美しい碧の瞳が、痛いほど真剣に私を見つめていて、その強い瞳を前にすれば、私は太刀打ちできなくなる。
熱い感情がスーッと抜けていくのがわかった。
取り憑かれたように見つめ返すことしかできなくて。
でもそれが一番正しいことのような気がして。
言葉はひとつもないのに、不思議と、決壊した感情の池がどんどんせき止められてゆくのがわかる。