【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「来美の眼鏡⋯⋯踏んでしまったみたいで」
シーツで身体を隠しながら覗き込むと、ブリッジが折れ曲がり、テンプルがもぎれかけた私の長年の相棒の眼鏡があった。
さっきの音は眼鏡を踏んだ音だったんだ。
ずっとパジャマの胸ポケットに入れっぱなしだったから⋯⋯脱がされたときにでも落ちたに違いない。
とは恥ずかしくて言えないけど。
「もう古いものですし、うちに予備もありますから気にしないでください」
「――そういうわけにはいかない。同じものとはいかないけど、手配させて欲しい」
なんども謝罪を重ねた永斗さんは、至って真剣な顔で申し出てくる。
とはいえ、眼鏡は結構高価なものだし⋯⋯。
いや、永斗さんからしたらそうではないかもしれないけど。
それでも気が引ける。