【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
甘い予感にときめきつつ、折りたたんだ眼鏡をテーブルに添えようとしたとき、
こちらに伸びてきた手とぶつかって落ちてしまった
「あ、ごめん」
永斗さんがさっと屈む。
しかし、手にした途端、何かを思い出したように動きを止めて。
視線はまっすぐ眼鏡を見ていて
何かを思い、懐かしむような、少し思案しているような。
そんな顔をしていた。
「どうしました?」
端正な顔を覗きこもうとしたとき、顔をあげた永斗さんの静かな碧い瞳とぶつかる。
しばし私の顔を目に留めると、フッと穏やかに目元を緩ませた。
「『ありましたよ』」
わざとらしいほど優雅な手付きで、私の目の前に眼鏡を差し出した。
ありましたよ?
突然どうしたんだろう。
でも何故か、私にはそれがスローモーションのように見えた。
「ありがとうございます。すみません」
受け取ろうと永斗さんの手に触れた、その瞬間――
既視感に似たような不思議な感覚に襲われた。