【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
『賭けでもするか』
ふと、よみがえる言葉。
園部はなんであんなことを言ったんだろう。
美久ちゃんから意味を教えてもらったけど、未だ考えていることがわからない。
こぼしたため息がエレベーターで響く。
まぁ、今回は負けるつもりはないけどね。
更衣室で着替えを済ませた私は、一度オフィスビルを出て、向かった本橋屋で期間限定の和菓子を購入した。
それから再びもどり、そのままの足てエレベーターに乗り込むと、社長室のある34階へと登る。
『紫陽花』おいしいって言ってくれるといいな。
借りっぱなしだった永斗さんのファイルもやっと返せる。
そんなワクワクした気分を秘めながら、和菓子屋の袋と、重いファイルの入った手提げをぶら下げ、人に会わないようにコソコソ廊下を歩いていると。
聞き慣れない、男性の大きな声がもれてくる。
この階には、漆鷲フーズの取締役の個別室があるから、声が聞こえてくるのは普通なんだけど。
永斗さんの声でもないし、専務や常務の声でもない。
誰だろう?