【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
その声は社長室に近づくにつれ、どんどん大きくなってきて、
「――そろそろ3ヶ月だぞ、永斗」
社長室の前に差し掛かったとき、ドア越しに威厳のある年配男性の声がした。
来客⋯⋯?
それにしても3ヶ月って、永斗さんも前にそんなとこを―⋯⋯。
扉にかけようとした手がピタリと止まる。
「心配する必要は――⋯⋯」
かすかに聞こえる永斗さんの声。
「こっちも心配いらないぞ。縁談にお前が気に入りそうな娘を用意しておいた」
え、縁談⋯⋯?
どういうこと
その言葉にショックが隠しきれず、ドアの前から後退した。
頭の中が真っ白になる⋯⋯
ふと流れ込んできた声。
『三ヶ月』
『期間は譲れないんだ』
もしかしてそう言ってたのは、それまでしか一緒にいられないから?
もう永斗さんとはもう一緒にいられないの?
この眼鏡にこめられた意味は⋯⋯
ぜんぶぜんぶ、ただの思い出になるの?