【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―


バッグから引っ張り出すと、液晶画面には

『永斗さん』の文字。


手にしたまま、画面と見つめ合う。


きっと、島田さんから急に帰ったことを聞いて、心配してるんだろうな。

社長室で聞いた会話を思うと、足がすくみそうになるけど。


でも、やっぱり

永斗さんの声が聞きたい。


考えたのは一瞬だけだった。


美久ちゃんもいないし、今のうちに!


操作して耳に当てた、その瞬間――


スマホ越しに、持ち手に何かがピッタリくっつく気配を感じた。


ん? なんだ?


ちらりと視線を向けると


「―――?!」


素知らぬ顔で私のスマホに耳を当てて会話を盗み聞きしようとしている美久ちゃん。


ななななにしてんの!


私の視線に気づくとゼロの声で、


『ふふふ、どうぞ出てください』


さぁさぁといったふうに手を押し出す。


思わずひきつる顔。


む、む、無理に決まってるでしょ――――!?

< 349 / 489 >

この作品をシェア

pagetop