【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「はぁ――⋯ 先輩と王子のラブラブな会話聞きたかったですぅ⋯⋯」
「――――」
ラブラブな会話って⋯⋯。
結局、電話には出たけど、スマホにピッタリくっつく美久ちゃんを危惧して、わずか30秒しか話せなかった。
焦り狂った私は、一方的に差し入れた本橋屋の和菓子の美味しさを語り、彼が甘い言葉をささやく前に切ってしまったのだ。
ガックリ。
思えば、永斗さんの声を全然聞いていない⋯⋯。
不満をこめた視線を送っていると
ジェラートピケの可愛いパジャマを着た美久ちゃんは、ニコニコしながら数冊のファッション誌取り出して
「機嫌直してください? 授賞式で着るパーティドレス探しましょうか。先輩毎年スーツですからねぇ」
なんて誤魔化そうとする。
そして布団に座る私の横にやってきて、うつ伏せの状態でゆっくりページをめくりはじめた。
「ね?」なんて可愛く言いながら。
私のことをからかってるのか、慕ってるのかわからないけど、いとも簡単にマイペースな世界観に招き入れる彼女。
なんとなく永斗さんと似ていて
そして、憎めない。
女の子らしいふわふわしたシャンプーの香りがする隣に、ごろんと寝転んだ。