【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
はぁぁ――⋯⋯緊張する。
その光景を見ているだけで、様々な不安が胸を過り、心臓が口から飛び出てきそうになる。
今までで一番自信のあるプレゼンの結果とか
この格好が変じゃないかとか
そして、終了後に会う永斗さんのことを考えていたら、ドキドキしすぎて、朝からご飯が喉を通らなかった。
『会えるのを、楽しみにしているよ』
ふと、永斗さんに『授賞式のあと話したい』と伝えたときの返信を思い返す。
彼はいつも通りのだった。
ただの杞憂で終わるといいんだけど、やっぱり大好きな人に縁談があると聞いた心は落ち着かない。
今日、しっかり、伝えないと⋯⋯。
「大丈夫です、先輩」
不安を見透かした美久ちゃんが、私の両手を握ってくれる。
マーメイドラインの黒いワンピースに、長い髪を美しく編み込んだ彼女はモデルよりも綺麗な上に、太陽みたいな存在だ。
少しだけ変わり者だけどね。
「ありがとう」
私の瞳に光が戻った事を確認した美久ちゃんは、会場の中へと私の背中を押し出し、腕を引いてゆく。
「なら早く、この可愛さを見せびらかしにいきましょう?」
「うんっ!」
自信満々の笑顔を見ていたら、大げさだなと思いながらも謙遜の言葉はどこかに飛んで行ってしまった。