【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
そのまま、目的を持ったように、ずいずいとどこか腕を引かれていたら
突然「あった〜」とわざとらしく声を上げた美久ちゃんは、ヘルシーな野菜料理が並んでいるテーブルへと駆け寄る。
ジロリと向けられたのは、そばにいた企画営業チームの美しい先輩方の厳しい視線。
社内人気ナンバーワンの高橋さんを中心に、綺麗どころが並んでいるのは威圧感がハンパない。
なんか、ものすっごい見られてるんですけど⋯⋯。
「私、これ好きなんですよぉ」
そう言って先輩からの視線をものともせず、美久ちゃんはチーズと野菜が生ハムに包まったメニューを取り分ける。
見慣れない姿の私に不躾な視線が降り注ぐ。
こ、怖いんですけど⋯⋯!
半ば、魂が口から抜けそうになっていたとき、
「真島先輩も、食べますよねぇ?」
美久ちゃんがにっこりほほえんで、私を振り向く。
「「!!?」」
その瞬間、なぜか先輩方の顔が驚きのあまり強張っているのが視界に入ってきた。
名前を呼んだことで、真面眼鏡で地味で影の薄い真島、だということに気づいたのかもしれない。
そんなにホラーな顔しなくとも。
「さぁ、さぁ、次はあっちに行きましょ――!」
美久ちゃんのこの行動の意味を理解したのは、しばらく日付が経ってからのことだった。