【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「今年は、授賞したらひとつ決めてることがあんだよ」
「決めてること? ⋯⋯言っておくけど、眼鏡ははずさないよ」
「ったく、お前はそればかりだよな」
呆れながらも向かい合い、頭ひとつぶん高いところから、真剣にこちらを見下ろす園部。
賭けだのなんだの言ってたけど、もちろん永斗さんからもらった大切なものを外す気はない。
強い意思をもって視線を返していると、園部はゆったりとブラウンの瞳を何度かまたたかせ、そしてたっぷり十秒くらい間をあけたあと
「⋯⋯あんまり綺麗になってんじゃねぇよ」
何かをボソリとつぶやくが、
タイミング悪く会場の喧騒に掻き消されて聞こえない。
「え?」
なんていったの?
耳に手を当て首を傾けると、大きなため息をこぼした園部は、私の額に手を伸ばして
「なんでもねーよ」
ピンと指ではじいた。