【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―

「今年は、授賞したらひとつ決めてることがあんだよ」

「決めてること? ⋯⋯言っておくけど、眼鏡ははずさないよ」

「ったく、お前はそればかりだよな」


呆れながらも向かい合い、頭ひとつぶん高いところから、真剣にこちらを見下ろす園部。

賭けだのなんだの言ってたけど、もちろん永斗さんからもらった大切なものを外す気はない。

強い意思をもって視線を返していると、園部はゆったりとブラウンの瞳を何度かまたたかせ、そしてたっぷり十秒くらい間をあけたあと


「⋯⋯あんまり綺麗になってんじゃねぇよ」


何かをボソリとつぶやくが、

タイミング悪く会場の喧騒に掻き消されて聞こえない。


「え?」


なんていったの?


耳に手を当て首を傾けると、大きなため息をこぼした園部は、私の額に手を伸ばして


「なんでもねーよ」


ピンと指ではじいた。
< 363 / 489 >

この作品をシェア

pagetop