【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
しとしとと降り出す雨。
園部が去った後、私たちもすぐにホテルへと避難した。
そのまま会場へ戻るのかと思いきや、永斗さんが連れてきてくれたのは会場裏手にある宿泊客共有スペースのカフェで。
中年の店員さん1名と、私たちしかいない小さな空間で、コーヒーを前にカウンターに並んでいた。
「大丈夫? もう冷えない?」
「これ借りたので大丈夫です」
永斗さんが肩にかけてくれたスーツの上着を見せて微笑む。
「まだ夜は冷えるからね」
湿度の高い施設内はクーラ―がかかっているため、入ってすぐかけてもらったものだ。