【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「⋯⋯まさか、真島の恋人が社長だとはな」
やがて雨がポツポツ降り出した頃。
やっと納得したらしい園部は、短髪をわしゃわしゃとかき混ぜながら顔をあげた。
「―――」
『恋人』
一線を超えたにも関わらず、そういった口約束はしてない。
『縁談』の真相についても、なにもわかっていない。
だから、安易に頷いていいのかわからないけど。
でも⋯⋯私の心は永斗さんにある。
そして、彼の言葉を誰よりも信じてる。
これだけは真実だ。
私は、黙ったまま笑顔を園部に見せた。
どうあがいても、永斗さんが大好きだから。
そんな気持ちが伝わったのか、園部はフッと鼻で笑い
「なら俺は、邪魔にならないうちに、会場へと戻りますか」
くるりと背を向けた。
「また来週から報告書頼むぞ――。じゃあ⋯⋯ごゆっくり」
彼はそう言って、スーツのポケットに手を突っ込っこみ、雨がチラつく夜の闇に消えてった。