【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「そろそろ、君の話したいことが⋯⋯聞きたいな?」
ワインを飲み干した永斗さんが、グラスをコトっと静かに置いた。
先を越されてしまった。
ちらり、と上目遣いに見ると。
腕を組みをし背もたれに寄りかかった永斗さんが、少し訝しげな面持ちで私の様子を見ていた。
それは、呼び出したにも関わらず、なかなか話しを切り出さない私に焦れてるようにも見える。
い、言わないと。
ここでしっかりしなくてどうする。
私は大きく息を吸って。そしてゆっくり吐いて。
心臓が激しく暴れて、今にも破れそうだけど。
テーブルを挟んだ向こう側の、永斗さんの碧い瞳を真っ直ぐと見つめた。
「⋯⋯永斗さんは⋯⋯その、縁談をうけるんですか?」
静まり返った部屋に、やけに声が響いた。
「え?」
唐突すぎて、あからさまに驚いている永斗さん。
咄嗟に口元に手を添えて、はっとしている表情。
それは、明らかに
「なんで知ってるんだ」
と言わんばかりに見えて心が潰れそうに痛む。